ゲーム業界で働く人は、好きなことを仕事にできる楽しさがある一方、ハードワークかつ薄給という厳しさもあるといいます。そんなゲーム業界において働くうえで、やりがいはもちろん大切ですが、もっと収入が欲しいと考える人も多いでしょう。もしくは、ハードワークでもそれに見合った対価であれば頑張れる、という考え方もあるかもしれません。
なにを重視するのかは個人の価値観によって異なりますが、いずれにせよ年収は気になるところです。そこで、ゲームプログラマの年収相場について見ていきましょう。
ある調査では、ゲームプログラマの年収は566.9~666.9万円ほどで、一般的なプログラマよりも額が多いとの報告があります。数字だけを見ると一概に薄給とは言えない面もあるようです。しかし、企業や年齢、地域によって金額が異なるため、満足感を得ていない人も実際は多くいるということでしょう。
企業がゲームプログラマの給与額を決める際に重視する要素として、経験やスキル、言語などが挙げられます。これらは在職中の評価項目にもなりますが、転職時に注視する企業も多いようです。
しかし、単に経験が長いだけでは評価されないこともあります。例えば、タイトルやプラットフォームが豊富なだけでは「業界歴が長いだけ」「転職しがちなのでは」「突出した技術がない」と見られがちです。企業側が注目するのは、そのタイトルのどの部分のプログラムを担当したのかということでしょう。つまり、客観的に見てスキルに具体性や新しさのある人が評価されやすいといえます。
ゲームプログラマとして活躍し、より高い年収を得るには、ポジションアップを目指したり転職を検討したりするのも良い方法です。チームを牽引するリーダーやプロデューサー、管理職などに就くと給与額がぐんと上がります。年功序列よりも実力重視の企業が増えているので、挑戦する意義も可能性も大いにあるでしょう。さらに、その経歴を武器にして転職するという方法もあります。
なお、役付き経験はなくても、負荷対策やネイティブアプリの開発経験、使用言語の豊富さなどがあると転職で評価されやすいでしょう。加えて、ユーザー視点を持つ、さまざまなジャンルに携わる、コミュニケーション力を磨くといったことも心がけると、ニーズを押さえつつ発想力に富んだ魅力のあるゲームプログラマとして活躍できます。
ゲーム好きにとってスマホは電話じゃありません。スマホは電話もかけられるゲーム端末です。Javaのゲームプログラミングを学ぶなら、Androidアプリ開発にも興味を持ってしかるべきです。遊び半分、勉強半分ぐらいの気持ちで、Androidのゲームアプリ制作にチャレンジしてみるのも楽しいですよ。iOSのAppstoreと違って、GooglePlayは個人のアプリ公開のハードルも低いので、自分でつくったアプリを世に出すことも夢ではありません。
ゲーム業界で働いていると、純粋無垢なゲーマーさんから、キラキラと目を輝かせながら「ゲーム業界に入りたいんです!」という相談を受けることがあります。そんな相談を受けたゲーム業界人の目には、ほぼ例外なく、愛しさと懐かしさと少しの残虐性を交えた色が浮かぶはずです。ゲーム業界の実態は、過酷です。ゲーム業界はゲーム好きが多いといいますが、それは裏を返せば、ゲームが好きでもなければつらすぎる業界だと言い換えることもできるのです。
ゲームが大好きで熱意もあって、スキル的にも問題ないのに、ゲーム業界への転職がなかなかうまくいかず、不採用が続いているという人がたまにいます。このパターンによくあるのは、ゲームに対する熱い思いを伝えきれていないという失敗です。ゲーム業界の求人募集の応募条件にはほぼ必ず「ゲームが好きな人」という項目があります。つまり、ライバルも採用担当者も、ほぼ例外なくゲームが好きな人しかいない中で、自分のゲームへの熱意をアピールしなければならないのです。