若い世代がIT業界に足を踏み入れるきっかけとして、ゲームが大いに活躍しています。夢中になってのめり込んだのと同じぐらい、あるいはそれ以上のゲームを自らの手で生み出すことが夢であるクリエイターも多いでしょう。そんな夢を実現するためであるならば、どんな苦労も厭わず突き進むでしょうし、あっという間に様々なことを習得して、そもそも苦労などは感じないかもしれません。このようにプログラミングを学ぶ教材として、ゲームを自作してみるということは、初めからクリエイティブな魅力もあって良い選択と言えるでしょう。
そもそもプログラミングを学習するということは、アルゴリズムを導き出すスキルと、OSやプログラミング言語を動かすための構文やメソッドなどの習得、そしてコンピュータの仕組みの理解という3点に分解されます。そのうち後の2者については時間をかけて何度も繰り返し実際に手を動かすことで、徐々に理解して行くものです。その一方で最初のアルゴリズム、つまりデータ入力、プログラム処理、結果出力というプログラミング処理の一連の流れを導き出すということは、順次・選択・繰返しという基本制御構造を覚えて使いこなすということです。Javaを含めどのプログラミング言語を使用するとしても、避けては通れない基本的スキルであって、逆にそれを身に付けていれば、後は自らの創造性次第ということになります。大ヒットゲームも複雑なアルゴリズムによって成り立っているのであって、これを導き出すスキルを習得しなければ制作できないのです。
このようなスキルを身に付ける上で、楽しく学習を進めるに越したことはありません。その方が長続きしますし、アルゴリズムだけではない、OSやプログラミング言語を動かすための構文やメソッドなどを習得する際にも非常に役立ちます。というのもゲームでは、嫌でもプログラミング言語の提供する様々なメソッドを使用することになるからです。自他ともに認めるゲーム中毒で、自分の理想的なゲームというものがあれば、それこそ願ったり叶ったりでしょう。自らの理想の高みを越えようと、最初から難しいゲームを作成しようとしてしまい、あれこれと頭をひねっているうちに、これが思わぬ高度なスキルを身に付ける絶好のチャンスとなるのです。一度難しいものを作ってしまえば、その先には無限の可能性が広がっていますので、夢中になって増々学習が進むでしょう。自分がせっかく生み出すプログラムを無駄なく安全に仕上げたいと思えばこそ、コンピュータの仕組みの理解にも喜んで取り組む気にもなるというものです。
ゲーム好きにとってスマホは電話じゃありません。スマホは電話もかけられるゲーム端末です。Javaのゲームプログラミングを学ぶなら、Androidアプリ開発にも興味を持ってしかるべきです。遊び半分、勉強半分ぐらいの気持ちで、Androidのゲームアプリ制作にチャレンジしてみるのも楽しいですよ。iOSのAppstoreと違って、GooglePlayは個人のアプリ公開のハードルも低いので、自分でつくったアプリを世に出すことも夢ではありません。
ゲーム業界で働いていると、純粋無垢なゲーマーさんから、キラキラと目を輝かせながら「ゲーム業界に入りたいんです!」という相談を受けることがあります。そんな相談を受けたゲーム業界人の目には、ほぼ例外なく、愛しさと懐かしさと少しの残虐性を交えた色が浮かぶはずです。ゲーム業界の実態は、過酷です。ゲーム業界はゲーム好きが多いといいますが、それは裏を返せば、ゲームが好きでもなければつらすぎる業界だと言い換えることもできるのです。
ゲームが大好きで熱意もあって、スキル的にも問題ないのに、ゲーム業界への転職がなかなかうまくいかず、不採用が続いているという人がたまにいます。このパターンによくあるのは、ゲームに対する熱い思いを伝えきれていないという失敗です。ゲーム業界の求人募集の応募条件にはほぼ必ず「ゲームが好きな人」という項目があります。つまり、ライバルも採用担当者も、ほぼ例外なくゲームが好きな人しかいない中で、自分のゲームへの熱意をアピールしなければならないのです。